運送業が活用できる補助金・助成金とは?おすすめ7選

公開日 2023/03/08更新日 2023/03/08

著者 佐藤淳 / 公認会計士

※記事内容は記事更新日時点の情報になります。最新の情報は必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

原油価格高騰の長期化に伴い、多くの運送業者が早急な対策を迫られています。

事業者に向けて国や自治体が支援策を設けるなか、運送業を対象とした制度もあります。

そこでこの記事では、主に運送業が活用できる補助金・助成金制度について詳しく解説します。

運送業が活用できる補助金(国による支援)

運送業が活用できる補助金・助成金のうち、国(主管:経済産業省、中小企業庁)による支援施策を4つ解説します。

事業再構築補助金 

事業再構築補助金は、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための企業の思い切った事業再構築を支援するものです。

大きく6つの申請類型に分かれ、最大1.5億円の補助を受けられます。(申請類型・要件による)

参照:事業再構築補助金 公式HP

採択事例

運送業のおもな採択事例は、次のとおりです。

①運送事業から特殊技術によるガラス再生研磨事業への新分野展開
②運送業の「半導体トレイ運送」及び「流通加工業」・「倉庫業」への新分野展開
③運送事業者が手掛ける、買い物疎過疎地域への衣料化粧品の移動販売事業

参照:事業再構築補助金 第7回公募 採択案件一覧【全国統合版】

ものづくり補助金 

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものです。

製造業に限らず、さまざまな業種が補助対象となります。大きく5つの申請類型に分かれて最大4,000万円を補助します。(申請類型・要件による)

参照:ものづくり補助金補助金 公式HP

採択事例

運送業における採択事例として、以下の例が挙げられます。

①荷姿の判別機能を有するロボットの導入による荷役作業の軽減と生産性向上
②ITを活用した24時間利用可能な内陸コンテナターミナル建設事業
③農作物別に温度管理が可能な大型冷凍庫の導入により新しい流通システムの一翼を担い、生産者の収入UPにも貢献

参照:成果事例のご紹介

IT導入補助金 

中小企業・小規模事業者のみなさまがITツール導入に活用いただける補助金です。「通常枠(A・B類型)」に加え、令和3年度補正予算にて「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型・複数社連携IT導入類型)」、令和元年度補正予算にて「セキュリティ対策推進枠」が追加されました。

令和元年度補正予算・令和3年度補正予算による公募はすべて終了していますが、令和4年度第2次補正予算分の実施が予定されています。

最大450万円が補助されるほか、令和4年度第2次補正予算分では一部下限額の撤廃をはじめ、内容拡充が行われます。

参照:IT導入補助金 公式HP

採択事例

IT導入補助金の運送業採択事例は、次のとおりです。

①船舶のリモート環境整備で船上オフィスの効率化を実現!
②送迎バスの管理業務DX化で管理スタッフの業務改革を推進
③販売管理システムの導入により、売上集計の処理時間が30%以上短縮!

参照:IT導入補助金 活用事例

小規模事業者持続化補助金 

小規模事業者持続化補助金(=持続化補助金)は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者等の地道な販路開拓等の取り組みや、業務効率化の取り組みを支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。

5つの申請類型が設けられ、令和4年度第2次補正予算分から一部内容の拡充が行われたため最大250万円の補助が受けられます。(申請類型・要件による)

参照:小規模事業者持続化補助金 公式HP

採択事例

運送業における採択事例は、次のとおりです。

①近隣農園等への集荷・持込サービスの強化と従業員休憩所の拡充
②車両及び受付の除菌施工による安心・安全の提供と集客促進
③トラック運送事業者の法人向け洗車サービスの参入

参照:小規模事業者持続化補助金 採択者一覧

運送業が活用できる補助金・助成金(自治体による支援) 

続いて、各自治体による主な支援施策を3つ取り上げ、それぞれの目的と補助上限額・補助率に注目して解説します。

北海道:地域公共交通事業者等臨時支援金 

新型コロナウイルス感染症により利用者減少などの影響を受けている乗合バス事業者、貸切バス事業者及びタクシー事業者に対して、事業継続に寄与するために臨時支援金を交付します。

補助上限額

  • 乗合バス事業者(路線バス、都市間バス):乗合バス車両1台あたり153,000円(1社100台上限)
  • 貸切バス事業者:貸切バス車両1台あたり70,000円
  • タクシー事業者(法人タクシー、個人タクシー):タクシー車両1台あたり25,000円(1社100台上限)

参照:地域公共交通事業者等臨時支援金について

東京都:原油価格高騰等対策支援事業 

原油や原材料価格の高騰等が長期化する状況などを踏まえ中小企業の省エネ対策を通じた経営改善を一層後押しします。

助成金額:100万円(200万円)
※断熱改修コース(100万円)とともにその他のコース(100万円)を申請する場合、助成限度額は200万円となります。

助成率:1/2
以下の要件をすべて満たす場合は助成対象経費の4/5となります。

  • 直近決算期の売上高が前期又は前々期と比較して10%以上減少していること、または、次期決算期の売上高が
  • 期または前々期と比較して10%以上減少することを見込んでいること
  • 直近決算期において損失を計上していること、または次期決算期において損失を見込んでいること

参照:原油価格高騰等対策支援事業

広島県:エコタイヤ等導入支援金(トラック事業者への省エネ・CO2削減緊急対策支援事業)

原油価格や物価高騰の影響を受ける県内運輸事業者を引き続き支援するため,CO2削減による環境負荷の軽減につながる環境対応車(電気トラック,天然ガストラック,ハイブリッドトラック,電気自動車用充電設備等)の導入や燃費向上による輸送コストの負担軽減につながるエコタイヤ等(エコタイヤ,再生タイヤ)の導入を支援します。

※公募の一部は予算額の上限に達したため,終了しています。

補助上限額・補助率

対象はエコタイヤ・再生タイヤ、環境対応車、電気自動車用充電設備等です。

※エコタイヤ等(エコタイヤ、再生タイヤ)の導入支援は終了

■環境対応車
・補助率:環境対応車と普通車両の基準価格差の10/10(税抜)
・補助上限金額:

種別 車両区分 支援金額(上限)
電気トラック

車両総重量 2.5トン超

11,000,000円

天然ガストラック
(使用過程車の改造車を含む)

最大積載量 4トン未満

730,000円

最大積載量 4トン以上

2,750,000円
ハイブリッドトラック

最大積載量 4トン未満

770,000円

最大積載量 4トン以上

2,680,000円

■電気自動車用充電設備等
・補助率:導入費用(工事費用を含む)の3/4(税抜)
・補助上限金額:

区 分 支援金額(上限)
急速充電設備 50Kw以上 4,500,000円
急速充電設備 50Kw未満 3,240,000円
普通充電設備 1,350,000円

まとめ

全国の運送事業者が活用できる支援施策について、国と自治体による主な補助金・補正金を7つ取り上げて解説しました。

紹介した補助事業をはじめ、自社に合う事業を選定し、ぜひお役立てください。

中小企業庁認定 経営革新等支援機関 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)の東京オフィスに6年間、シアトルオフィスに2年間勤務。 2015年よりアジア最大級の独立系コンサルティングファームの日本オフィスにて事業戦略の構築支援、M&Aアドバイザリー、自己勘定投資の業務に従事

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