【2022】販路開拓に利用できる補助金2選!

公開日 2022/12/24更新日 2023/03/09

著者 補助金クラウドマガジン編集部 / 公認会計士 / 経営革新等支援機関チーム

国内での新型コロナウイルス感染拡大は収束の気配を見せず、また先行き不透明な社会・経済環境にあって、多くの中小企業や小規模事業者は引き続き厳しい経営環境に直面しています。

こうした状況下、自社の商品やサービスには自信がある一方、販売促進に回す資金の余裕がないという悩みを抱える事業者も多い状況です。

この記事では、販路開拓に利用できる有利な補助金を2つ厳選し、詳しく解説します。

補助対象となる「販路開拓」の取り組みとは

さまざまな要因によって自社の売り上げが下降している場合、企業の販売促進費は、広告宣伝費などと並び、最初に削減対象となってしまう傾向があります。

その一方、販路を開拓し、新規顧客を獲得して売上げを拡大して、将来にわたって安定的に売上を維持・拡大していくには、販路開拓に関する経費は必要なものでもあります。

政府では、こうした企業の販路開拓を支援するために役立つ補助金制度を公開し、中小企業や小規模事業者に活用を促しています。

販路開拓に利用できる補助金1. 事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編など思い切った事業再構築にあたり、中小企業の挑戦を支援する、経済産業省主管の補助金です。

予算総額は令和2年度第3次補正予算で1兆1,485億円、令和3年度補正予算で6,123億円、令和4年度予備費予算で1,000億円もの金額が確保されており、コロナ禍における経済復興の目玉ともいえる計画です。

主な支援の種類としては、通常枠、大規模賃金引上枠、回復・再生応援枠、最低賃金枠、グリーン成長枠、緊急対策枠があります。
なお、令和4年度補正予算より、上記類型から再編が行われる予定です。

参照:事業再構築補助金の概要(中小企業等事業再構築促進事業)

対象経費

事業再構築補助金で対象となる経費は次のとおりです。

  • 建物費
  • 機械装置・システム構築費(リース料を含む)
  • 技術導入費
  • 専門家経費
  • 運搬費
  • クラウドサービス利用費
  • 外注費
  • 知的財産権等関連経費
  • 広告宣伝・販売促進費
  • 研修費

対象者

主な補助対象企業は次のとおりです。

  • 売り上げが減っている:2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3ケ月の合計売上高が、コロナ以前の同3ケ月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
  • 事業再構築に取り組んでいる:事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換を行うこと
  • 認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する:補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(グローバルV字回復枠は5.0%)以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(同上5.0%)以上増加の達成を見込む事業計画を策定すること

補助上限額・補助率

補助上限額と補助率は、カテゴリごとに細かく設定されています。

補助上限額

【通常枠】中小・中堅企業とも

  • 従業員数20人以下:100万円~2,000万円
  • 同21~50人:100万円~4,000万円
  • 51~100人:100万円~6,000万円
  • 101人以上:100万円~8,000万円

【大規模賃金引上枠】中小・中堅企業とも

  • 従業員数101人以上:8,000万円超~1億円

【回復・再生応援枠】【最低賃金枠】:中小・中堅企業とも

  • 従業員数5人以下:100万円~500万円
  • 6~20人:100万円~1,000万円
  • 21人以上:100万円~1,500万円

【グリーン成長枠】

  • 中小企業:100万円~1億円
  • 中堅企業:100万円~1.5億円

【緊急対策枠】中小・中堅企業とも

  • 従業員数5人以下:100万円~1,000万円
  • 6~20人:100万円~2,000万円
  • 1~50人:100万円~3,000万円
  • 51人以上:100万円~4,000万円

補助率

【通常枠】 【大規模賃金引上枠】

  • 中小企業:2/3(6,000万円を超える部分は1/2)
  • 中堅企業:1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)

【回復・再生応援枠】【最低賃金枠】

  • 中小企業:3/4
  • 中堅企業:2/3

【グリーン成長枠】

  • 中小企業:1/2
  • 中堅企業:1/3

【緊急対策枠】(*) 補足条件あり

  • 中小企業:3/4
  • 中堅企業:2/3

販路開拓に利用できる補助金2. 小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、「小規模事業者」が販路開拓や生産性向上のための取り組みを行うために要する経費の一部を支援する制度です。

この制度は、商工会や商工会議所のサポートを受けながら、経営計画書や補助事業計画書などを作成し、審査を経た後、採択が決定されれば、所定の補助金の支給を受けることができます。

小規模事業者にはフリーランスや個人事業主も含まれ、商工会や商工会議所の会員でなくても応募が可能です。以下のような一定の取り組みを行った小規模事業者は、本制度を活用することにより補助金が支給されます。なお、令和4年度第2次補正予算分以降、一部内容の拡充が行われています。

  • 人と接触する機会を減らすための機器の導入
  • 新たなビジネスやサービスを始める際のチラシ・DMの作成・送付
  • 新商品をオンラインの展示会等に出展
  • Webサイトによる受注システムの構築 など

参照:全国商工会連合会(小規模事業者持続化補助金

対象経費

補助対象となる具体的な経費としては13種類が挙げられています。

  • 機械装置等費
  • 広報費
  • 展示会等出展費
  • 旅費
  • 開発費
  • 資料購入費
  • 雑役務費
  • 借料
  • 専門家謝金
  • 専門家旅費
  • 設備処分費
  • 委託費
  • 外注費

販売促進に関するものとしては、広報費や展示会等出展費が挙げられます。

対象者

この補助金の対象者は、下記に該当する、開業届けを提出している小規模事業者となります。

【卸売・小売業・サービス業(宿泊業・娯楽業以外)】
常時雇用する従業員数が5人以下の事業者

【サービス業のうち宿泊業・娯楽業】【製造業その他】
常時雇用する従業員数が20人以下の事業者

なお、常時雇用する従業員とは、正規・非正規の区別なくフルタイム勤務を行っている労働者が該当します。
条件の詳細については事務局に個別に相談する必要があります。

補助上限額・補助率

補助上限額と補助率は次のとおりです。

  • 補助上限額:250万円
  • 補助率:2/3

まとめ

コロナ禍や、その他の先行き不透明な経済・社会環境で経営を圧迫されている中小企業や小規模事業者の販路開拓を支援するため、政府が支援する主要な補助金とその条件詳細について解説しました。

販路開拓は企業にとって将来の収益維持拡大のために必要な活動です。是非、政府の支援策を活用し、事業拡大へ向けて注力していただきたいものです。

補助金クラウドマガジン編集部です。国や地方公共団体と連携しながら、補助金をお届けします

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