ものづくり補助金申請には申請代行が必要?選び方や費用をあわせて解説

公開日 2022/12/24更新日 2023/01/12

著者 補助金クラウドマガジン編集部 / 公認会計士 / 経営革新等支援機関チーム

先行き不透明な社会・経済状況下で、引き続き多くの中小企業が厳しい経営環境に直面しています。

こうした中小企業や小規模事業者の積極的な設備投資を促すための補助金として活用されているのが「ものづくり補助金」です。

この記事では、ものづくり補助金における申請代行の意義や活用法、また費用などについて詳しく解説します。

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業や小規模事業者が今後、複数年にわたって相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入)などに対応するため、中小企業や小規模事業者が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行う際の設備投資を支援するものです。

補助率は2/3で、補助上限は4,000万円となっています。

詳細は下記サイトをご参照ください。なお、14次締切分以降、類型の再編、補助上限額の上乗せ等行われています。

参照:ものづくり補助金総合サイト

ものづくり補助金には申請代行が必要?

ものづくり補助金への申請をサポートする存在が「認定支援機関」で、弁護士や税理士などの士業や、銀行や信用金庫などの金融機関、商工会や民間コンサルタントなど、「一定レベル以上の専門性を持っている」と国が認定した事業者です。

この認定支援機関は、中小企業者の事業計画策定をサポートする立場として平成11年7月に認定支援革新の制度開始に伴って登場しました。

現在のものづくり補助金では、認定支援機関確認書は必要ありません。認定支援機関確認書は、認定支援機関からの支援を受けたことを証明するものですが、現在は認定支援機関のサポートを受けることは必須ではないため、提出不要となりました。

これに付随して、申請代行業者を使うことも必須ではありません。

一方、申請代行業者に依頼することで、採択率をさらに上げることができるのも事実です。

外部支援を受けた事業者と受けていない事業者の採択率(6次~9次)をみると、支援を全く受けていない場合の採択率が42.2%であるのに対し、支援を受けた場合は、報酬額によって様々ですが、報酬がない場合で49.9%、報酬額が15%以上の場合は60.1%と、その支援効果が明らかになっています。

ものづくり補助金の申請代行の選び方

ものづくり補助金の申請書作成は非常に難しく、中小企業が全て自力で行う場合には、不慣れな点も多々あることから、内容に不備のある申請書を提出してしまうリスクがあります。事実、不採択となった申請書には書類不備がある場合が数多く見受けられます。

そのため、補助金の申請書は、外部の専門家に依頼するのが有効です。

ものづくり補助金で申請代行業者を選ぶ際には、後述する認定支援機関をネットで検索したり、また普段付き合いのあるコンサル企業や公認会計士、税理士などのプロに相談し、最適と思われる申請代行業者を選ぶことが大切です。

認定支援機関の検索方法

ものづくり補助金における認定支援機関は、中小企業庁が公開しているネットサイトを利用して幅広く検索することが可能です。

この検索サイトでは、全国各都道府県別に認定支援機関を多数リストアップしており、事業者名や過去の採択実績、得意分野や特徴などが細かく示されているので、是非活用することをおすすめします。

参照:認定支援機関検索システム

認定支援機関を探す際のポイント

認定支援機関から支援を受ける際、まずは自社が直面する経営課題と事業計画の骨格について向き合うことが大切です。自社の課題や事業の方向性ついてしっかりと整理した後に認定支援機関を選ぶことで、相談内容が具体化できます。

一方、認定支援機関は依頼元企業の事業計画策定や経営課題の分析、事業計画のモニタリングなど、さまざまなサポートを実施します。認定支援機関の専門性や得意分野はそれぞれ異なるため、自社の経営課題に最適な相談先を決めることがポイントです。

なお、具体的に認定支援機関を選ぶ際には、認定支援機関一覧やインターネット検索を活用します。認定支援機関は全国で3万機関以上あるので、認定支援機関を探す際には自社の希望条件を整理しておくことが重要です。

希望条件の例としては次の項目が挙げられます。

  • 報酬条件(着手金と成功報酬など)
  • 対象地域
  • 支援可能な業種
  • サポート内容(事業計画書の作成や、販路拡大など)
  • 認定支援機関種別(銀行、税理士など)
  • 支援実績(各補助金における支援実績や、資金調達の実績)

資金調達に問題を抱えている場合には資金調達の支援実績や支援対象地域が優先順位となり、販路拡大に課題がある場合は、販路拡大の支援実績や利用者の声が参考となります。

このように、自社が求める条件を明確にしてから情報収集をすることで、最終的には希望に沿った最適の認定支援機関が選定できます。

ものづくり補助金の申請代行に必要な費用

申請代行業者へ支払う報酬には、採否にかかわらず必要となる着手金と、採択された場合に支払う成功報酬の2つがあります。一般的には、着手金が5万円~15万円程度で、成功報酬は獲得した補助金額の10%~20%程度が相場となっています。

なお、着手金無料で完全成功報酬のみを謳(うた)っている事業者の場合、成功報酬の割合が高い傾向があります。

一例として、ものづくり補助金の支援・採択実績が豊富な事業者における費用を挙げます(いずれも税別)。

着手金:10万円
(申請サポートの着手時に発生する報酬)

成果報酬:採択された補助申請額の10%(下限50万円、上限100万円
(採択されたときのみ発生する報酬)

まとめ

ものづくり補助金における申請代行の意義や活用法、選定する際のポイントや費用などについて詳しく解説しました。

企業の設備投資は、将来にわたって経済全体を活性化させるためには極めて重要な要素です。

この記事を読んで、ものづくり補助金の申請をサポートする申請代行業者を活用し、補助金の採択へ向けて進めていただきたいものです。

補助金クラウドマガジン編集部です。国や地方公共団体と連携しながら、補助金をお届けします

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